忙しい日常の中でAIをどう活用すればよいか迷うことは多いと思います。最近は様々な場面でAI（大規模言語モデル）を使う試みが広がっていますが、「どのAIを選ぶべきか」「本当に使えるのか」という疑問は残ります。そこで役立つのがLM ArenaとArtificial Analysisという2つの公開サイトです。これらを組み合わせれば、難しい知識がなくても自分に合ったAIを見極めることができます。

1. LM Arena

LM Arenaは世界中の人が参加するAIの比較サイトです。仕組みはシンプルで、質問を入力すると2つのAIが答えを返します。利用者はどちらがわかりやすいかを選ぶだけです。この投票が積み重なり、ランキングとして集計されます。つまり「多くの人が良いと感じたAI」が自然に上位に現れます。

人気ランキングは日々更新されるので、今どのAIが注目されているかを把握できます。例えば「糖尿病患者に生活指導をどう説明するか」と入力すれば、実際に現場で役立つ文章の比較が可能です。

2. Artificial Analysis

Artificial AnalysisはAIの性能表を提供するサイトです。特徴は数字での比較にあります。評価されるのは主に3点で、頭の良さ（正しく答える力）、速さ（返事の速度）、料金（利用コスト）です。表を見ると「AのAIは精度は高いが返事が遅い」「Bは速いが答えが浅い」「Cはバランスが良い」といった違いが一目でわかります。加えて処理できる文章の長さや最新モデルの反映状況も確認できます。この情報は、実際の業務で使いやすいかを判断する大きな助けになります。

3. LM ArenaとArtificial Analysisの使い分け

2つのサイトの使い分けは明快です。LM Arenaは利用者の体感に基づく人気投票であり、ArtificialAnalysisは客観的な性能表です。両方を合わせて見ることで、使いやすさと数字の裏付けを同時に確認できます。例えばLM Arenaで上位にあるモデルを候補に選び、ArtificialAnalysisで料金や速度を比べ、自分の環境に合ったものを選ぶという流れです。

実際に利用する際の手順を示します。まずLM Arenaにアクセスして、日常的に使いそうな質問を入力してみます。回答を比較して「理解しやすい」「根拠が明示されている」と感じた方を選びます。続いてランキング表を確認し、どのAIが多くの人に選ばれているかを把握します。その後ArtificialAnalysisを開き、候補となるAIの性能や料金を確認します。最後に実際の業務で使う質問を入力して、回答を比較しながら自分にとって最適なAIを決めます。

活用の具体例を考えてみます。外来で患者に新しい薬を説明する場面では、LM Arenaで人気の高いAIを使って説明文を作り、読みやすさを確認します。そのうえでArtificialAnalysisで返答速度や利用料金を確かめれば、日常業務での実用性を判断できます。また院内勉強会の資料作成では、精度を重視して性能表の数値が高いAIを選び、ガイドラインの要約や図表の説明に活用できます。

注意すべき点もあります。AIは診療を補助する道具であり、最終判断は必ず医療者にあります。回答はデータの質や偏りに左右されるため、誤りが含まれる可能性があります。さらに個人情報を入力する際は匿名化を徹底し、施設の方針に沿って利用することが不可欠です。

4. まとめ

まとめると、LM ArenaとArtificialAnalysisを組み合わせれば、専門知識がなくても安心してAIを選べます。人気と性能の両方を確認することで、自分の現場に適したAIを導き出せます。まずはLM Arenaで簡単な質問を試し、ArtificialAnalysisの性能表をのぞいてみましょう。その小さな一歩が、日常業務を少しずつ効率化する第一歩になります。